E1000の開発経緯

finalのイヤホンは、変わった構造と仕様のせいで高級機が多く、一般層には馴染みのないメーカーでした。そのfinalが一般ユーザー向けの価格帯でE2000とE3000を発売し、高い評価を受けました。
しかしE2000ユーザーの中学生からメールが届き、同級生にE2000をすすめたところ、高すぎて手が出せないと言われたことが書かれていたそうです。確かにE2000は4000円ほどのイヤホンで、中学生にとっては高価なイヤホンでした。このメールがきっかけとなり、E2000&E3000をエントリークラスと考えていたfinalは、さらに低価格のE1000を開発しました。
外観&仕様

付属品はイヤーピースのみです。このイヤーピースはfinalが開発したTYPE Eというもので、普通に買うと1000円ほどするものです。イヤーピースの色が左右で色が違うのは、イヤーピースの色で左右を判別しやすくするためです。

基本設計はE2000&E3000と共有のようですが、価格を抑えるためプラスチックの筐体になっていて、断線しても気軽に買い替えることのできないであろう、お金のない学生がターゲットなため、ケーブルの太さはE2000&E3000より太くなって、頑丈な作りになっています。それE2000&E3000と違い、筐体の後方の音抜け用の穴がなく、音漏れはしにくくなっています。

ノズル部分が特殊な形をしていますが、このおかげで耳の穴の角度に合わせ、イヤーピースを左右に振ることができます。これをfinalはスウィングフィット機構と呼んでいて、このおかげで鼓膜までダイレクトに音を届けることができます。
音質
高音中音がキラキラしていて綺麗な音です。弦楽器の音とボーカルがはっきりと聞こえます。その分、低音は全然でないので、低音を重視したい方には不向きな音です。個人的には、ゆっくりした音楽を気軽に聞きたいときに使用したいイヤホンです。
総評
低価格ながら手を抜かず、こだわって作られていることが感じられました。音作りは若者が好みそうなドンシャリではなく、オーディオ的な良さを感じられるイヤホンです。オーディオの入門機として、若者にぜひ手に取ってもらいたいイヤホンです。
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